安達太良山の雄大な自然を肌で感じる
安達太良山登山の朝は、あいにくの小雨。今年、東京から大玉村に拠点を移した「笑(わらい)むすび∞」山田みきさんが、おむすび弁当と“元気”を届けてくれました。弁当には、直売所が販売する加工品「うまくて生姜ねぇ(オタネニンジン入り)」や、えごま、ヤーコン梅酢漬けを使ったおむすびのほか、米粉を使ったから揚げ、福島県の米で作った漬け床の三五八(さごはち)漬けのキュウリやトマトなど、愛情たっぷりのおかずが詰められていました。
安達太良山は高山植物や紅葉の名所としても知られ、春から秋までたくさんの登山客で賑わいます。登山口が多く、初級から上級まで楽しめるのが魅力です。今回は、標高940メートルの奥岳登山口でロープウェイに乗り、標高約1350メートルの山頂駅から安達太良山の山頂を目指す初心者向けのコースです。一瀬さんのリードで登山スタート。整備された木道やごろごろと岩が転がる登山道を歩き続けると、小雨まじりの雲を超え、眼下には雲海が広がり始めました。山肌には色づき始めた木々が映え、参加者は各々スマホで撮影していました。山頂駅からのんびり登ること約1時間半、山頂の直下に到着しました。さらに参加全員で、ここから15分ほどの沼ノ平火口の展望地に足を延ばすことに。
沼ノ平火口に近づくにつれ、地面は赤や黄色の土に覆われて、荒涼とした風景が広がっていました。直径約1.2キロ、深さ約150メートルにわたる火口で、一瀬さんによれば霧がかかり、視界が開けないことも多いそうです。ところがこの日は鮮明に火口が目の前に! 参加者の最年少、小学4年生の小嶋大輝さんは、今回で安達太良山へは2度目のチャレンジ。前回は火口が見えなかったそうですが、「見られてよかったね」という一瀬さんの言葉に喜びをかみしめていました。また家族で参加した瀧澤由佳さんは「山登りは初めてで最初は不安でしたが、ガイドさんのおかげで絶景を見ることができてよかった」と感慨深げでした。
山頂下に戻り、お待ちかねの「おむすび弁当」の昼食。さわやなか秋風の中、安達太良山登山でその恵みである「大玉村の幸」は格別の味! その後、参加者全員、山頂を踏みました。山から望む大玉村は雲がかかっていましたが、安達太良山の自然や、それによってもたらされた水が、大玉村の豊かな農作物に大きく寄与しているのだと実感できたツアーでした。

色づきはじめた山肌と雲海を眺めながら、安達太良山の頂上を目指す

家族で参加した瀧澤英利さんと妻の由佳さん、娘の美利佳さんは、今回初めて登山にチャレンジ。左がガイドを務めた一瀬さん

安達太良山の自然や登山のコツを説明する一瀬さん

大迫力の沼ノ平火口

沼ノ平火口付近。草木も生えない荒涼とした風景が続く

大玉村産の米や野菜、加工品を詰めた「笑むすび∞」のおむすび弁当

河崎大智さんと中川琴さんは「おむすびはもちろん、三五八漬けのきゅうりも美味しいし、トマトも新鮮で甘い」とお弁当に大満足!

親子で参加した小嶋一輝さんと息子の大輝さん。頂上でにっこり

参加者全員で安達太良山を踏破!
(文・撮影/旅行読売出版社)
