初夏のサクランボ、真夏のモモ、秋のナシ、そして初冬の蜜入りリンゴとイチゴ。季節ごとに旬の果物が楽しめる。


旬の味覚がいっぱい!大玉村は果物の宝庫
日本百名山の一つ、安達太良山の広大な裾野に広がる大玉村。清らかな空気とミネラル豊富な雪解け水に恵まれ、古くから農業が盛んに行われてきました。
夏の暑い日差しや朝夕の気温差は果物を育てるのに適しており、四季折々に多種多様な果物が実ります。恵まれた気候風土と、生産者の丁寧な手仕事によって育まれた果物は、上品な香りと濃厚な甘味が特徴。その質の高さは県外からも高く評価され、ふるさと納税の返礼品にも多数出品されています。
村内各地に直売所が点在し、もぎたての新鮮な果物を販売。果物狩りを楽しめる農園もあり、大玉村の観光スポットとして人気を集めています。初夏の味覚「サクランボ」
大玉村の初夏の味覚の代名詞といえばサクランボ。毎年6月に入ると、村内中のサクランボの実が赤く色づき、夏の訪れを告げます。
サクランボは寒さに弱いため、気温が氷点下となる4月末までは夜間や明け方の霜対策が必須。さらに小さな実を間引き、選ばれた実に栄養分をしっかり行き渡らせる「摘果(てきか)」も、おいしいサクランボを作るために欠かせない作業です。
手間暇を惜しみなく、愛情たっぷりに育てられた大玉村のサクランボは甘酸のバランスが良好。主力品種の「佐藤錦」は果肉が柔らかく、一粒頬張ると口いっぱいにジューシーな果汁が広がります。鮮やかなルビー色の果皮は見た目にも美しく、“サクランボの王様”とも呼ばれています。
6月下旬頃に旬を迎える「紅秀峰」は果肉がキュッと締まり、はじけるような弾力が特徴。糖度は20%前後と一般的なサクランボよりも高く、濃厚な甘味を楽しむことができます。比較的日持ちがよいため贈り物としても人気です。真夏の風物詩「モモ」
夏の強い日射しや昼夜の寒暖差といった気候風土が果物栽培に適し、モモの生産量は全国2位を誇る福島県。大玉村においてもモモの栽培が盛んで、夏の風物詩として定着しています。
大玉村のモモ栽培は果実に袋を掛けない無袋栽培が中心。照りつける太陽の光をたっぷり浴びることで、色づきがよく、濃厚な味わいのモモに育ちます。
各生産者が光センサーシステムを導入し、糖度や色を測定した後に出荷。これによりモモ一つひとつのおいしさが保証されています。
大玉村のモモのシーズンは7月〜9月。7月上旬に収穫される福島のオリジナル品種「はつひめ」は早生種ながら実が大きく、甘味と酸味のバランスが抜群。8月上旬に旬を迎える「あかつき」はみずみずしい果汁にあふれ、口当たりなめらかな食感を楽しめます。8月下旬が最盛期の「川中島白桃」は糖度が高く酸味が穏やか。やや固めで締まった果肉が持ち味です。秋の訪れを彩る「ナシ」
大玉村が位置する安達太良山の麓は、小石などの礫が堆積した水はけの良い扇状地。高温多湿な気候や豊富な雪解け水、昼夜の気温差など、ナシの栽培に適した環境条件がそろいます。豊かな風土に育まれたナシは、みずみずしい果肉と、爽やかな香り、濃厚な甘味が特徴です。
大玉村のナシの旬は8月下旬から10月下旬。最初に収穫を迎えるのは、甘味が強く、酸味が穏やかな「幸水」。柔らかな食感とジューシーさが魅力です。9月上旬からは大玉村の主力品種である「豊水」が登場。その名の通り果汁をたっぷり含み、甘味と酸味のバランスが絶妙です。
9月下旬に旬を迎える「あきづき」は、500g前後という大きな品種で、コクのある甘味と歯切れのよいシャキシャキした食感が持ち味。ナシの中では比較的日持ちがするため、贈り物にも適した品種です。初冬に旬を迎える「リンゴ」と「イチゴ」
大玉村の冬の果物の代表格といえるのがリンゴ。主に寒冷地で栽培されるリンゴですが、大玉村は比較的温暖な気候ゆえ他産地よりも早く花が咲き、12月後半まで収穫することができます。さらに昼夜の寒暖差によって追熟を繰り返し、果肉が引き締まった糖度の高いリンゴへと成長します。
11月〜12月に収穫されるリンゴは糖度が高まることから、甘味が一層引き立ち、蜜も入りやすくなります。大玉村の主力品種は「ふじ」。蜜入りは果肉が柔らかくジューシーで、噛みしめると口の中が心地よい甘味で満たされます。ジューシーで芳醇な果汁も格別です。
「イチゴ」も大玉村の冬の味覚として存在感を放ちます。大玉村唯一のイチゴ生産者「渡辺いちご園」が育てるイチゴは、華やかな香りと弾けるような甘酸っぱさが特徴。栽培される品種は定番の「とちおとめ」をはじめ、福島県オリジナル品種「ゆうやけベリー」などさまざまあります。
同園のいちごは、大玉村の特産物をそろえる「あだたらの里直売所」で購入可能。午前中で売り切れてしまうこともあるので、早めの訪問がおすすめです。